スポーツ活動中止・再開についてのガイドライン
            No.2 足関節捻挫                 2006.11.1
 スポーツ外傷の中で最も多く、治療を間違えると後遺障害を残すこともあります。
足関節捻挫は、損傷の程度によりT度U度V度に分け、治療も異なります。(図1〜3)
図1 図2 図3
T度
靱帯の断裂は軽度。腫れや圧痛も少なく不安定性は認めない。可動域制限無し。
U度
靱帯の不完全断裂。腫れや圧痛があり、軽度不安定性を認める。
底屈が制限される。
V度
靱帯の完全断裂。腫れや圧痛強く、強い不安定性を認める。可動域制限あり、荷重できない。
 
 ほとんどが内返しによる損傷で、よくわからないが捻ったという場合も、多くは距腓靱帯が損傷(多くは外くるぶしの前面に圧痛がある)し、さらに強く捻ると、踵腓靱帯も断裂(多くは外くるぶし下面に圧痛がある)する。脛腓靱帯が損傷されると歩行・起立が出来なくなり、靱帯が癒合するまでは、松葉杖免荷が必要になります。
 
初期治療
 いずれの場合でも、受傷時〜48時間まではRICE
(安静・冷却・圧迫・挙上 上図参照)を行います。T度では弾性包帯固定、V度では3〜4週のギプス(シーネ)固定を行います。腫れが強いときは、テープ・包帯でRICEをしっかり行い4〜5日してからギプス固定をすることも有用です。U度では治療の選択に差があり1〜2週のギプス固定を行う場合、装具療法・テーピングなどで固定されることもあります。(図5〜7)
障害発生の防止・予防及び治療の向上
受傷直後 RICE無し(3〜6週後) RICE有り(3〜6週後)
 
 急性期以後の治療
 実際多くの場合、湿布のみという治療が成されていることが多いそうです。しっかりしたリハビリプログラムを組むことが早期の復帰・後遺障害の予防となります。
 固定を除去した後は、痛みや、腫れの改善を観察しながら図のように順番にリハビリを進めます。
痛みがあれば次にステップに進んではいけません。後述する「スポーツ復帰の目安」まで筋力・可動域が回復することを目標とします。
 U度V度では、夜間は装具やシーネを装着するとを勧めます。
図8 足関節の自動背屈 図9 負荷をつけた背屈 図10 タオルギャザー 足関節周囲筋の等尺性筋収縮(力比べ 図11)
自動背屈運動(図8)は、比較的早期から始めて良い。 さらにゴムチューブなどで負荷をかけて行う。痛みが無くなれば、自動底屈も許可する。  タオルギャザー を行います。底屈筋群・背屈筋群・腓骨筋等行います。慢性の捻挫では腓骨筋力の低下があるという報告があります。
 
次に行う等張性の運動はゴムチューブで行うが、安全に行えます。 
(図12・13)
図12 図13 図14
チューブトレーニング チューブトレーニング スクワットは最初は踵を接地し行い、次のステップで、踵を挙上して(図14)行う
 スクワット(最初は踵を地面につけて行う→次に踵を挙上して行う 図14)を行い、筋力が回復し可動域が改善すればジョギングから始めて、徐々にスピードをつけていきます。最初はストレートランニングです。ストップ&ゴー、切り返しと進みます。
スポーツ復帰の目安
・健側と可動域が変わらない
・筋力が90%以上回復している。(チューブトレー ニング・スクワットが健側と比べ違和感がなく行 える)
・切り返し、ストップ&ゴーが、痛み無く行える。
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