(図1)痛みの出る場所 |
(図2)筋肉が骨膜を引っ張り
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(図3)踵の外側がすぐにすり減る人
回内足といい注意が必要です
4.痛みの軽いときの治療
症状によって治療が異なります。下腿内側の圧痛があるだけ、あるいは運動時に軽い痛みがあるだけなら特に運動を中止する必要はなく、以下のことに注意します。
・ストレッチ 足の親指、足関節、膝を中心に時間をかけて行います。ふくらはぎの硬さ(ヒラメ筋)が原因だという報告もありますので時間をかけてしっかり行います。(図4・5)
・ウォーミングアップ 軽いランニングなどで十分からだを暖めてから練習を行います。
・クーリング
練習の合間や終了後に水道水などで数分患部を冷やします。運動していないときでも頻回 のクーリングは効果があります。
(図4)足の親指のストレッチ
(図5)足関節の底屈のストレッチ(左)
足関節の背屈のストレッチ(右)
5.痛みが強いときの治療
下腿内側に強い圧痛があったり運動時に強い痛みがあれば、ジャンプやランニングを中止し、運動も制限しなければなりません。もし疲労骨折を起こしていると数ヶ月以上運動を中止しなければならないので、医師の指示のもとで検査(レントゲン写真・骨シンチ)を受けて下さい。その上で次のように治療計画を立てます。
(1)運動制限 ジャンプ、ランニング等はすべて禁止します。上肢や患部以外の運動は自由に許可します。
(2)関節を動かす運動 筋肉や関節の萎縮を取り除くためにホットパックや、温熱療法を併用し指や、足関節を中心に(図4・5)全身の筋肉のストレッチを行います。
(3)筋持久力の改善 自転車エルゴメーターを使い筋持久力、心肺能力の改善を行います。自転車でも痛みがでるときは、水泳で持久力アップを行います。
(4)筋力アップのトレーニング ある程度関節の拘縮がなくなり痛みが取れてくれば痛みの出ない範囲で足部を中心に筋力アップを図ります。(図6)
ゴムの重みを感じながらゆっくり行う
(図6)ゴムチューブによる足部の
筋肉トレーニング
上記以外にもタオルギャザー・膝の四頭筋訓練などで、足底筋や、膝の伸展・屈曲の運動も行います。負荷は最初は軽く行い日を追って負荷をかけて行い、15-20回できるくらいの強さを目標とします。練習後に数分のアイシングは必ず行います。
(5)装具の使用 扁平足や回内足(図2)がある人は、歩行時やジョギング開始時に装具を使用すると再発の防止になります。筆者は、硬めのスポンジやフェルトの布を使って自作しています。(図7 ・8)
(図7)扁平足に対する
アーチサポート
(図8)回内足に対する
内側楔状足底版
(6)テーピング アーチの低下や回内足にテーピングも有効です。巻き方は少し煩雑なので、今回は、詳しく述べません。
(7)ジョギングの開始 痛みが取れてくれば少しずつジョギングを始めます。はじめは1回15分くらいの軽いものにとどめ2週目は
20分、3週目は30分と少しずつ増やしていきます。スピードも急に上げたりすると再発の原因となります。長時間のジョギングが可能になれば、それぞれの専門種目のトレーニングを開始します。
6.疲労骨折との違い
シンスプリントと疲労骨折は、医学的に違うものと考えられていますが、同じものでシンスプリントから疲労骨折になると主張する人もいます。いずれにせよ、痛いまま放置しておくと非常に難治性となるので、異常を感じたら早期に医師に見てもらい診断、治療が必要です。 疲労骨折は人と競走馬と飼い慣らされた犬しかならないそうです。この話からなぜ疲労骨折が起こるか一つの原因が想像できます。自分に合ったトレーニングを行うことが大事だと思います。